腸内フローラと免疫の関係
このページで少し触れたように、腸内細菌と人間の免疫機能の間には、関係があることがわかっています。
人間体には、日々様々な異物(体にとって別のもの)が入り込んでいるわけですが、
人間の体には、それらの異物を排除または無力化するような力が備わっています。
体に備わる免疫機能
一般的には、このような異物排除の仕組みを免疫機能と呼んでいます。
例えば冬を中心に猛威をふるうインフルエンザ(ウイルス)は、
インフルエンザウイルスが体内に入り込み、増殖し、人間にとって害のある毒性物質を出すことで、
様々な体への影響を与えています。
インフルエンザは致死性の高い病気ではありますが、
健康な人の多くは2、3日もすると徐々に熱も下がり、元の健康な体になっていくと思います。
これは私達の体の中で、免疫機能が働き、インフルエンザウイルスを排除または無力化してくことで、
体の機能が徐々に回復していくためです。
それでは、インフルエンザの予防接種とはどのようなものなのでしょうか?
免疫の自然免疫と獲得免疫
人間には2種類の免疫機能があります。
一つは、元々体に備わっている、自然免疫です。
自然免疫は、体に入ってくる異物を排除しようとする仕組みで、
体の中に、ウイルスや細菌が入り込んできた場合は、それを発見し、体に有害なものであると判別した場合に、
それを排除しようと働きます。
もう一つの獲得免疫とは、前に一度体に有害な影響を与えたものを記憶し、
改めてそれらが入りこんだ場合に、直ちに排除しようと働くものです。
この機能を利用しているのが、インフルエンザなどでも知られている予防接種です。
予防接種とは、無害化または弱体化したウイルスを一旦体に入れ、それらの有害性を体に覚えさせ、
これらのウイルスが入ってきた場合には、直ちに攻撃できるようにしておくものです。
子育ての経験のある方はよく知っているかもしれませんが、
子供には多くの予防接種を受けさせますよね。
BCGやちょっと昔であればツベルクリンなどの名称で行われているものが有名です。
BCGは結核予防のために行うものですが、以前はツベルクリン反応をみて、必要性がないと判断された場合は、BCGは行っていなかったのですが、
最近では、ツベルクリン反応を見ずに、直接BCGを接種しています。
これらもこの獲得免疫を利用し、感染症を予防する目的で行われています。
それでは、この免疫機能と腸内細菌はどのような関係があるのでしょうか?
腸内細菌が免疫機能に与える影響
腸内細菌は、体外から入ってくるものなので、普通に考えれば、
免疫機能によって排除されてしまうはずですが、通常、腸内細菌たちはこの免疫機能によって攻撃されることはありません。
それでは、腸内細菌は私達の免疫機能にどのように影響しているのでしょうか?