最近ニュースなどでも耳にするようになってきた、「腸内フローラ(腸内細菌)検査」ですが、
一体どんなものなのかわからない、そもそも腸内フローラってなに?という方も多いかと思います。

そういう方向けに、腸内フローラ検査とは、そもそも腸内フローラとはについて解説します。

腸内フローラってなんだ?

腸内フローラという言葉は、2015年にHNKスペシャルで放送されたあたりから、徐々にテレビを始めとしたメディアに登場してきました。
言葉自体は意外と歴史が古く、その命名自体は1980年代に遡ります。
当時日本で腸内環境研究の第一人者であった光岡先生たちのグループが命名したものです。
研究者の間では、マイクロバイオームという呼ばれ方が一般的です。

日本語では腸内細菌叢(ちょうないさいきんんそう)と呼ばれ、叢とは、くさむらとも読みます。
フローラは英語で植物相を表し、草原のように多くの植物たちが共生している様を表しています。
腸内にいる細菌たちはあたかもこの草原のように、多くの細菌たちが共生しあっている様から、
腸内フローラと命名されました。

さて、多くの細菌たちが共生しあっていると述べましたが、
私達の体には、非常にたくさんの細菌たちが住み着いています。
皮膚には皮膚の細菌、腸内には腸内の細菌が住み着いています。
腸内細菌は、およそ1000種類以上、600兆個以上もの数が住み着いています。
その重さはなんと、1.5kgから2.5kgにもなります。
これらの細菌たちは、日夜私達の体の中で、様々な働きをしています。

腸内フローラの働き

腸内細菌たちは、日夜私達の体の中で様々な働きをして、その結果、私達に様々な影響を与えています。
詳しくはここを読んでもらえればと思いますが、
簡単にいえば、私達が体で生成できないビタミンを生成してくれたり、免疫力の向上に役立ってくれたり、時には悪さをすることもありますが、異物を排除してくれたりと大活躍しています。

腸内フローラの腸内細菌にはさまざまな種類の細菌がいますが、そのバランスが重要で健康な人の腸内細菌のバランスは非常に安定しています。
これが悪い食生活や過度なストレスなどによってバランスが崩れると体調不良につながっていきます。

また、腸内細菌の中には、ヤセ型体質の人に多く見られる細菌、肥満体質の人に多く見られる細菌、美肌や若く見られる人に多く見られる細菌などがあることがわかってきました。

これらの細菌がいる、いないによって、私達の体型や見た目にも影響を与えているのです。

腸内フローラ検査の登場

腸内細菌には様々な働きをする菌たちが共生しあって、さらに私達の体に多くの影響を与えていることを述べました。

それらがわかってきたのは、とても最近になってからです。
今までは腸内細菌を観察するのは非常に難しく、またとてもとても時間のかかる作業でした。
最近になって、もともとは人間の遺伝子解析を行っていたチームが人間の遺伝子(ヒトゲノム)解析を終えし、
この遺伝子解析技術や機器の多くが、腸内細菌の研究に使われるようになってきたのです。

ちょうど一昨年から昨年ぐらいにかけて、ヒトゲノム検査をするサービスが出てきましたが、
まさにこれと同じような検査が、腸内細菌にも応用できるようになってきたのです。

腸内細菌は本当に種類が多いため、どういった細菌がいるのかについてもわからなかったものが、
この遺伝子解析技術を使うことにより、細菌の遺伝子を特定し、どういった細菌がいるのかがわかってきました。
その中で、健康な人の腸内細菌はどうなのか、ヤセ型の人はどうなのかなどが研究され、たくさんのデータが集まることで、
各個人の腸内細菌についての検査サービスが登場してきたのです。
まだまだ研究の発展途上ということもあり、検査できる項目数はそれほど多くありませんが、
この検査が広がることにより、膨大なデータが集まり、より精度の高い検査結果が出せるようになるでしょう

腸内フローラ検査ってどうするの?

腸内フローラ検査が手軽になってきたといっても、今はまだ消化器科などの病院での検査が主流ですが、
個人で自宅でも簡単にできるサービスが登場してきています。

マイキンソー
オーブ

オーブはまだサービスを開始していませんが、
元サッカー選手の鈴木啓太さんが始めた会社です。
コンセプトは、「腸内フローラ解析による、アスリートのパフォーマンス向上・ヒトの健康維持」だそうです。

マイキンソーはサイキンソーという会社が行っているものですが、
すでにサービスを開始しています。

検査方法は送られてきた検査キットに従い、検便の要領で便を採取し、返送するというものです。
実に簡単ですね。

腸内フローラ検査で何がわかるの?

まだまだ研究途上のため、腸内フローラ検査でわかる項目は少ないのですが、
マイキンソーのサービスを見ると、以下のようなことがわかるようです。
・太りやすさ
・腸のタイプ
・菌の多様性
・主要な細菌の割合
・腸内の菌構成
・腸内環境の推移(定期実施による)

太りやすさは、ファーミキューテス門菌とバクテロイデーテス門菌という細菌の割合に影響されます。
肥満傾向の人は、バクテロイデーテス門菌が少なく、ファーミキューテス門菌が多いということがわかっています。
これはどうやら、ファーミキューテス門菌がより脂肪を溜め込むように働く影響があるためと言われています。

また、主要な細菌の割合では、エクオール産生菌と言われる、美肌や若さを保つことに影響を与える物質を生産する菌の割合が分かります。

これから研究が進むに連れ、より多くの事柄がわかるようになってくるものと思います。
また遺伝子解析のように、生きている間は変わらないというものではないので、
今の健康診断のように毎年検査することでガンの予防に役立ったり、その他の病気の予防に役立ったりしてくるかもしれませんね。

腸内フローラ検査で美肌体質や肥満体質なのかがわかる!?


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